- Miyuki Nemoto
アメリカ人は珈琲がお好き~紅茶が好まれなかった本当の理由とは?~
更新日:2022年8月11日
こんにちは。NEXUSよりネモトです。
スクールでは、挽きたてのコーヒーを皆様にお出ししておりますが、
実は、若かりし頃、コーヒーは苦手でした。
はじめてアメリカに行ったとき、
「アメリカのコーヒーは違うから試してみて。」
とルームメイト、ナンシーに無理矢理スターバックスに連れて行かれたのが始まりでした。
(その時代、日本にスターバックスはまだありませんでした。)( ̄_ ̄ i)
飲みやすいからと モカ(ホットチョコレートと珈琲のミックスドリンクです。)を勧められて飲みました。
おいしかったのを覚えています。
一般的にアメリカ人はコーヒー派の方が多いです。
特に、アメリカ北西部(ワシントン州やオレゴン州)は雨や曇りが多く、寒いせいか、コーヒーショップがいたるところにあります。
日本で言うスーパーの駐車場内に掘立て小屋を建て、そこで、コーヒーショップを営んでいる人もいるくらいです。
では、なぜアメリカではコーヒー派が多いのか??
本題に入ります。
前回、前々回とアメリカとイギリスのマナーの違いやイギリス発祥のスポーツがアメリカで、はやらない理由についてお話したかと思いますが、アメリカ人にコーヒー好きが多いのも又アメリカとイギリスの歴史的背景が大いに関係しているらしいのです 。
以前、The Boston Tea Party (ボストン茶会事件)について少し触れましたが、当時アメリカがいかにイギリスを嫌っていたのかおわかりになるかと思います。
その後、独立戦争へとつながっていくわけですが、アメリカ人は紅茶が嫌いだったのではなく、イギリスの植民地に対する横暴なやり方に反感を持ち、
結果、紅茶のボイコットというかたちになりイギリスのものではないコーヒーが好まれるようになったのです。
そのなごりが現在も残っている関係で、どうやら、コーヒー派が多いようです。
とは言え現在では紅茶を好む方もたくさんいらっしゃいますし、最近の若者の間(特に女性)では抗酸化作用が高いと抹茶(Maccha)が人気だそうです。
話を戻しましょう。
1767年まで東インド会社は、植民地アメリカにお茶を直接持ち込むことを法律で禁じられていてました。
そのため、一度イギリスの競売に卸し、そこでお茶を買い付けた商人が植民地に持っていくかたちになっていたようです。
東インド会社は、お茶をイギリスに持ち込むとAd valorem tax(従価税)25%を支払わなくてはならず、更にイギリス国内では、お茶を販売すると売上税が課せられるというシステムになっていたので、税金がかなり高かったことがうかがえます。
東インド会社が経営不振に陥っていたため、当時イギリスは保護する名目で東インド会社に対し、アメリカへのお茶直送&販売独占権を与えることにします。
一方アメリカでは、安く手に入るオランダから来たお茶(密輸品)が既に多く出回っていました。
そこで、東インド会社は、お茶の直送と販売独占権を与えられた後、価格を下げて販売するようになります。しかも相当安く売っていたらしいです。
アメリカ人にとっては安いお茶が手に入るようになり、よかったのではないか?と私も思ったのですが、調べてみると、どうやら話はそこで終わらないんですね。
東インド会社はアメリカにお茶を直送できるようになり、従価税をイギリスに支払わなくて済むようになります。
東インド会社側は良かったのかもしれませんが、イギリスは、25%徴収していた税金がなくなってしまったわけです。で、イギリスはどうしたのか?
結果、植民地アメリカで徴収しようと英国議会で勝手に決定したのです。
イギリスの勝手な決定をアメリカは憲法違反だと反発します。
これがアメリカ側が主張した
「No taxation without representation」(代表なくして課税なし)です。
税金を課せられているにもかかわらず、アメリカは自分たちで選出した代議士を本国の英国議会に送ることが許されていませんでした。
そのため、ボストン茶会事件が起こる以前から、アメリカは、本国イギリスに不満をもっていました。
つまり、ボストン茶会事件は、その後、独立戦争へと向かっていく契機となったのです。
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いかがでしたか?
今回のテーマは、私自身も知らないことが含まれていたので、
色々と調べた上で書かせていただきました。
参考にさせていただいたサイトは以下の通りです。
Wikipedia Boston_Tea_Party
history.com (動画付)
それではまた。 Have a good day!