- Miyuki Nemoto
インドネシアのお嬢様パート3 -貞操を守る-
引き続き、カナダ旅行のお話です。
カナダの紅葉を一人満喫し、ご機嫌でホテルに戻り、
しばらくするとクリスティが戻ってきました。
(まだ携帯電話がめずらしい時代だったので、連絡を取り合う方法がなかったから。)
今にも泣きだしそうな顔のクリスティ。
「どうしたの?」 と私。
「彼に別れようって言われた。」
どうやら、彼に迫られたらしく、
彼女は結婚前だからできないと断ったそうなんです。
彼女いわく、
インドネシアでは婚前交渉はしてはいけないそうで、
貞操を守りたいと主張したらしいのです。
「他のインドネシア留学生はみんなやってる。
できないなら別れる。」と言われたそうです。
しかも、
「インドネシアにいるわけじゃないから、やったことにならない。」
とわけのわからないことも言われたらしい。
「クリスティの気持ちを尊重できないなんて、イヤな奴。
そんな男さっさと捨てたほうがいいんじゃない。」
と私の心の声がささやきます。
「大好きな彼だから迷ったけど、でもやっぱりできなかった。」
と泣き出すクリスティ。
本当に純粋な子なんだなあ。
と妙に感心してしまいました。
英語力もたいしてなかったので、
どのように慰めてあげればよいのかわからず、
とても困った記憶があります。
私たちがアメリカに戻る日、
クリスティの彼は私たちを空港まで送ってくれました。
しかし、車中は、気まずい雰囲気。
インドネシア語がわからなくても、
もめてることは、明らかでした。
アメリカに戻ってしばらくして、別れたそうです。
「あんなヤツ、別れてよかったよ。」
とは言えませんでしたが。。。
貞操を守るって本当に難しいですね。
では、また。
