• Miyuki Nemoto

こんなにも違う!米国の生体腎移植事情

本日は、ちょっと真面目な記事をご紹介したいと思います。



まず本題に入る前にご了承いただければと存じますが、



筆者は、医療従事者または英語のプロでもございません。



元夫の家族に腎臓移植をされた方がおり、



その方から頂いたお話と共に



いくつかの英文資料やニュースをご紹介しながら



簡単な解説をさせて頂いております。



日本においての生体腎移植のガイドライン等は、



オンラインで調べたものであり、



100%正しい情報とは断言できません。



では、本題に入りたいと思います。



今回ご紹介する記事は、かなり前のものです。



Massive transplant effort pairs 13 kidneys to 13 patients

訳:「大規模な移植の取り組み<13の腎臓を13名の患者さんへ>」



このプログラムの存在をはじめて知ったのは、



今から、10年ほど前の話です。



「Kidney donor exchange program 」または「kidney swap」



「Paired Kidney Exchange」と呼ばれるプログラムで、



わたしが調べた限り、日本には存在しないプログラムです。



Johns Hopkins Leads Prototype Kidney Swap



”Since 2001, Johns Hopkins Comprehensive Transplant Center has participated in paired kidney exchanges. A paired kidney exchange, also known as a “kidney swap” occurs when a living kidney donor is incompatible with the recipient, and so exchanges kidneys with another donor/recipient pair.”



ジョンズホプキンス総合移植センターは、2001年から



"Paired Kidney Exchanges"に参加しているようです。



" A paired kidney exchange"(ペア腎臓交換)は、



"Kidney swap"(腎臓交換)としても知られています。



”Two live donor transplants would occur. Suppose there were two donor/recipient pairs, Donor and Recipient 1 and Donor and Recipient 2:”



簡単に言うと



健康な二人の腎臓提供者から、



二人の患者に生体腎移植をすることです。



??と思われる方も多いかと思いますが、



こんな感じです。



リンク:http://www.hopkinsmedicine.org/transplant/programs/kidney/incompatible/paired_kidney_exchange.html#what



Donor 1 would give a kidney to Recipient 2.


ドナー1(腎臓提供者)は、Recipient2(患者2)に腎臓を提供し、



Donor 2 would then give a kidney to Recipient 1.


ドナー2(腎臓提供者)は、Recipient1(患者1)に腎臓を提供する。



”This kidney paired donation transplant enables two incompatible recipients to receive healthy, more compatible kidneys. All medically eligible donor/recipient pairs may participate in the paired kidney exchange program.”



ドナー1とか患者2ではわかりにくいかと思いますので、



もう少し具体的な例を出します。



以下、架空の人物です。



<小林さん夫婦>


ご主人:腎臓移植を必要としている。


妻 ケイコ:本人は健康で、夫に自分の腎臓を提供したいが不適合。



<鈴木さん姉妹>


姉 ノリコ:本人健康。弟に自分の腎臓を提供したいが不適合。


弟 マコト:腎不全のため腎臓の移植が必要。



しかしひらめき電球



小林さんの妻、ケイコさんと鈴木さんの弟、マコトさんは適合。



そして、



鈴木さんの姉、ノリコさんと小林さんのご主人が適合だったため、



全員同意の元、お互いの家族を救うため、



生体腎移植を同時に行った。



これが、ここで言う「Paired Kidney Exchange」のことです。



小林さん夫婦や鈴木さん姉弟のような方が



複数いらっしゃって、同時に生体腎移植を行ったケースが



一番最初にご紹介した記事の内容です。



13組(13名の患者+13名のドナー)計26名による



大規模な生体腎移植が行われたとして



当時、大変話題を呼んだニュースでした。



"In more complex cases, additional donor/recipient pairs may be used. Here is a diagram showing a three-way kidney exchange."



リンク:http://www.hopkinsmedicine.org/transplant/programs/kidney/incompatible/paired_kidney_exchange.html#what



ちなみに3名以上の患者さんに同時に生体腎移植を行う場合、



”Domino Kidney Paired Exchange”と言うこともあるようです。



*ドミノ腎移植と訳されているようです。ご参考まで。



*参考サイト


Kidney Paired Donation Making Incompatible Donors Work


Domino paired kidney donation : a strategy to make best use

of live non-directed donation


生体腎移植のドナーガイドライン 日本腎臓学会



上記のガイドラインによると



現在の日本では、



生体腎移植の腎臓提供者は、原則として親族(6 親等以内の血族と



配偶者および 3 親等以内の姻族)に限定とされています。



アメリカでは、そのような規定はありません。



そのため、



全く知らない人に腎臓を提供するという方もいたりします。



先日もニュースで小学校の先生が、



ご本人の教え子ではないものの、同じ学校に通う女の子に



腎臓提供を申し出たという話が話題になっていました。



日本は他の先進国に比べ、医療的な問題の他、



倫理的な問題も多く、



アメリカやオーストラリアのように



"Paired Kidney Exchange" や



"Domino Kidney Paired Exchange" が導入されたとしても



(おそらくないと思いますが。。。)



今のままでは、



このプログラムの理解または拡大は



難しいのではないかと個人的には思います。



そもそも臓器を提供するという概念が



日本ではあまり一般的ではないと言いますか、



むしろ否定的な方が多いですし、課題は山盛りです。



とりあえず、ご参考まで



(公社)日本臓器移植ネットワーク発表の



■臓器提供意思登録者数



2016年3月31日現在 133,221人



登録者数は、日本人口の1%未満。



日本の人口 128,057,352人(国勢調査、2010年10月1日現在)



(この数字をみて愕然としたのは私だけですか?)



ちなみにアメリカでは、



成人人口のおよそ42%(100,000,000人)が



ドナーとして登録しているそうです。



”Donate Life America (DLA) announced today that a key goal set by the donation and transplant community in 2006 was achieved this month. The United States can now boast that 100 million Americans — roughly 42 percent of the adult population –are registered as organ, eye and tissue donors in state donor registries.”


100 Million Donors Registered in U.S.



わたしですか?



アメリカに居たころもドナー登録していましたが、



帰国後もすぐに登録しました。



どうしてかって?



答えは至って単純でして



自分が死んだ後でも



誰かを救うことができるなんて素晴らしい。



そう思っただけです。



それでは、また。